たとえば、『歯が痛んだ時は温めた方が良い』。これは間違いです。むしろ、歯の痛みを強める場合があります。
今回は歯が急に痛み出したときに『歯の痛みを今すぐ止める方法』や『歯が痛むときにやってはいけないこと』を紹介します。
正しい知識を身に付けて、急な歯の痛みに対処できるようにしておきましょう。
目次
歯が痛い!今すぐ歯の痛みを止める方法
虫歯や歯周病などが原因で急に歯が痛くなることがありますよね。虫歯や歯周病はある程度まで進行しないと痛みの自覚症状がないので、気づいたときには我慢できない痛みとなることも多々あります。
しかし、歯医者に行く時間がなかったり、夜間や休日で歯医者がやっていない場合は、痛みを抑えて我慢するしかありません。
歯の痛みを止める方法としては、次の5つの方法があります。次から詳しく説明します。
- 口の周りを冷やす
- 痛み止めを使用する
- 今治水を使用する
- 正露丸を使用する
- 口をゆすぐ・歯を磨く
口の周りを冷やす
歯が痛んでいる状態というのは、歯ぐきに流れている血液量が多くなり神経を圧迫している状態です。
冷やすことで血管を収縮させ、血液の流れを遅くさせることによって圧迫を緩和します。
冷え性は血液の流れを悪くする、という作用を聞いたことがあると思いますがこの仕組みをあえて利用するのです。
反対に温めると血管が広がり、さらに神経を圧迫することになるので注意してください。
冷やす方法としては、氷枕や冷却シート、濡れタオルなどがあります。血液の活動を活発化させないためにできるだけ動かず安静にしているとより効果的です。
痛み止めを使用する
市販されている痛み止めで一時的に痛みを抑えることができます。
飲むタイプ
痛み止めの飲み薬を選ぶ際は、ロキソプロフェン、もしくは、イブプロフェンという成分が含まれているかどうか確認してください。
これらには、痛みを生じさせる物質を阻害する作用があり、病院で痛め止めとして処方される薬にも含まれている成分です。
痛み止めとしては、胃を保護する成分が入ったロキソニンSプラスがおすすめです。痛みに早く効く割りに眠くならないので、痛みからすっきり解放されます。
塗るタイプ
市販されている商品の種類は多くないものの、痛み止め薬には塗るタイプがあります。
塗るタイプの痛み止めとしては、メディケア デンタルクリームTが有名です。
クリームを綿棒などで患部に直接塗布することで、局所麻酔の作用により一時的に痛みを抑えます。
ジブカイン塩酸塩という成分が痛みの伝達をブロックします。
今治水(こんじすい)を使用する
今治水とは、虫歯に直接塗ることで痛みを緩和させる液体タイプの歯痛薬です。殺菌作用や痛みを麻痺させる作用があります。
薬を綿球に染み込ませて、患部に押し込むように塗ります。
今治水を歯に塗布後、2分以内に痛みが引くと言われていることから即効性に優れています。
ネット上でも痛みがすぐ止まると評判が高い商品です。
歯の激痛とか体のだるさとか頭痛とかでここ数日悶絶。新今治水スゴイ。今までの痛みは何だったんだってぐらい。歯科行かずに済んだ(歯医者大嫌い)いずれは行かなきゃいけないんだろうけどwwwwとにかく医者に掛かるのが嫌なのでロキソニンと新今治水は欠かせない気がする。
— はんぺん (@hanpen_fuu) February 19, 2017
永久歯の種がなく生えっぱの乳歯が虫歯になって、今はできる治療ないからと様子見してたんだけど、この数日悪化してズキズキ痛くて眠れないし食事もしんどくてもう泣きそう。一縷の望みをかけてネットで出てきた新今治水ってのを試してみたら今のところ痛くない!このまま耐えられるか?( ;∀;)
— まりも (@marimo09) November 26, 2016
正露丸を使用する
下痢や食あたりなど腸の異常を解消する目的で使われる正露丸ですが、実は歯の痛みにも効果があります。
内服するのではなく、痛む歯の溝部分に詰めることで一時的に痛みをやわらげます。
具体的な使用方法は以下です。
1.口内を清潔にする
歯ブラシやデンタルフロスを使用して口内の汚れをきれいに取り除きます。特に患部周辺は入念に行います。
汚れの上から正露丸を詰めてしまうと、効き目が薄くなる場合があります。ただし強く磨きすぎて刺激を与えすぎないように注意してください。
2.詰める部分を乾燥させる
正露丸がすぐに溶け出してしまわないよう、口内(特に患部)を乾燥させます。
清潔なガーゼやティッシュを噛んだり当てたりするなどして、水気を取り除いてください。
3.半分~1個くらいの大きさを詰める
たくさん量を詰めたからといって効き目が強くなるわけではありません。適量は半分~1個くらいです。
始めは正露丸に含まれる消毒作用などから痛みが強くなりがちですが、徐々に引いていきます。
口をゆすぐ・歯を磨く
虫歯や歯周病でないのに痛みがある場合、異物が歯に挟まり神経を圧迫している恐れがあります。
ぬるま湯で口をゆすいだり、鏡で患部を確認したりするなどして異物がないか確認しましょう。
また食後すぐに痛みが起こった場合は、固いものや辛いものなどの刺激物が食べカスとして歯に詰まり、神経を圧迫している可能性があります。
歯ブラシやデンタルフロスなどで丁寧に掃除をしてきれいにしましょう。
どうしても痛みを我慢できない場合
これらの方法を試したが効果が出ず、症状が悪化して痛みが我慢できなくなった場合は、まずはかかりつけの主治医に連絡をしてください。
緊急性が高いと判断された場合はすぐに来るように言われて、痛みの原因を探ったり、痛みを止める措置をとってくれるでしょう。
また、休日・夜間である場合は、休日・夜間診療所を利用してください。安易な利用は勧められませんが、我慢できないほどの痛みがある場合、無理は厳禁です。
虫歯菌が歯ぐきを通してあごの骨まで侵食し、膿が溜まり炎症を起こしている可能性があります。
休日・夜間の診療所は地元の歯科医師会のホームページや市区町村のホームページなどで調べることが出来ます。
歯が痛いときにやってはいけないこと
痛みがある時にやってはいけないことが4つあります。
- 刺激の強いものを食べる、飲む
- お酒を飲む
- 激しい運動をする
- 患部をむやみに触る
固いものや辛い食べ物は歯の知覚神経に刺激を与えて痛みを増幅させます。
また、お酒に含まれるアルコールには瞬間的に痛みの感覚を麻痺させる効果はありますが、徐々に血液の流れを早めるので神経を圧迫して歯の痛みを強めます。
激しい運動も、心拍数を高めて血液の流れを早くして歯の痛みが強まる原因となるのでやめましょう。
歯ブラシや歯間ブラシは食べカスを取り除く、という目的以外ではむやみに触らないようにしましょう。特に、様子を探ろうとして素手で歯や歯ぐきを触ってしまうと、手についた細菌がもとで症状の悪化を招く恐れがありますのでご注意ください。
まとめ
痛みを我慢できるからと言って放置し続け、その間に虫歯や歯周病が進行して抜歯しなければならない状態まで進んでいた、というケースは少なくありません。
歯が痛いと感じた時は、今回紹介した痛みを止める対処を行うとともに、できるだけ早く歯医者を受診しましょう。