削らず、痛くない!最新虫歯治療のメリット・デメリット・費用まとめ

最新虫歯治療の解説

カオリ
虫歯の治療と言えば、患部を削って銀歯を詰めるのが一般的です。麻酔が必要ですし、削るときの「キーン」という異音が嫌ですよね。

しかし、最新の治療では削らなくて良く、痛みがない虫歯を治せるのです。『削らなくて良い最新の虫歯治療法』とは、どのような方法なのでしょうか。

今回は最新の虫歯の治療法について紹介します。

一般的な虫歯治療と最新の虫歯治療の違い

虫歯は、健康な歯に虫歯菌が感染して起こる感染症です。保険適応の一般的な虫歯治療では虫歯菌に侵されてしまった部分を削って取り除き、プラスチックや金属などの詰め物で削った部分を埋めて治療を行います。

一度削ってしまった歯は再生することはないので、治療後も歯の隙間や経年劣化部分からの虫歯菌の侵入により内部が再び虫歯状態になり、虫歯が進行していくことが多々あります。

虫歯が進行すると痛みが止まらず、歯の神経を取らなければいけなくなったり、最悪の場合抜歯になってしまうことがあります。

一方で、今回紹介する最新の虫歯治療では、化学的に虫歯菌の進行を止めたり、歯を削らずに虫歯菌を除去する治療法で虫歯が再発することはまれです。

次から最新の治療法として下記の4点を紹介します。

  • レーザー治療
  • 3-MIX法
  • カリソルブ
  • ドッグベスト

レーザー治療

口内炎や歯周治療などの治療によく使われる歯科用レーザーの中で虫歯治療に使えるレーザーがあります。

レーザーを照射するだけで虫歯を除去できるので、あの削るときの不快な音がないのが特徴です。

また、痛みが感じにくいため、あの不快な麻酔をしなくて良いのです。そして虫歯に侵された歯の部分だけ除去できるので、健康な歯を余計に削らなくてすみます。

通常の銀歯による虫歯治療と同様にレーザー治療も保険適応のためお財布にも優しいのが嬉しいですね(一部適用外となることもあります)。

レーザー治療のデメリット

レーザー治療のデメリットは下記の3点です。

  • レーザの照射時間が長く、治療に時間がかかる
  • 初期の虫歯にしか適用できない
  • レーザー装置が高価であり、導入している歯医者が少ない

治療費用(目安)

保険診療で2,000円~5.000円程度/1本

歯医者によっては保険外診療となることもあります。

また、使用しているレーザー装置により、治療できる虫歯の範囲が異なるため、事前に歯医者に適用できる範囲や治療費について確認をしてください。

3-MIX法

3-MIX法は、3種類の抗菌薬(メタロニダゾール、ミノサイクリン、シプロキサン)を混ぜ合わせた抗菌剤で、これを患部に直接塗り密閉することで薬を浸透させ、虫歯を無菌化していく方法です。主に虫歯治療に使われますが、場合によっては根幹治療(歯の根っこの治療)にも使われることがあります。

他にも一度露出してしまった神経が入っているところの穴をふさぐなど、様々な使い方ができます。歯の保存においてはかなり画期的な薬剤と言えるでしょう。

歯を削る量が少なく、痛みも出にくいのが特徴です。また、歯の象牙質の再生を促すので、通常では神経を取らなければならないような症例でも残せる可能性があります。

3-MIX法のデメリット

3-MIX法のデメリットは下記の4点です。

  • 神経に近いところの治療では薬剤の影響で2~3日しみ・痛みが出る
  • 治療後は抗菌薬の殺菌効果を確認するため、定期的に(3か月~半年に一回程度)の検診が必要
  • 治療可能な歯医者が少なく、歯科医の技術により治療できる虫歯の度合が異なる
  • 保険外の診療となり、治療費が高くなる

治療費用(目安)

保険外診療で2,000円~3万円程度/1本

保険外診療となるため、治療費は歯医者により千差万別です。

3-MIX法を行っている歯医者は後述するカリソルブやドッグベストよりは比較的多いので、事前に比較を行ってから診療するようにしましょう。

カリソルブ

「カリソルブ」はスウェーデンで開発された、虫歯の部分だけを薬剤で溶かし、健康な歯質を残すという治療方法です。

機械で虫歯部分を削らないので痛みが少なく、薬剤により虫歯部分のみを除去できるという素晴らしい方法です。

また、「キッズソルブ」というカリソルブの乳歯用のものもあります。乳歯と永久歯は歯の組成が少々異なるため、このように分けられています。

子供は歯を削る音や痛みに弱いので、歯科治療を嫌がる子供にはとても良い治療方法といえます。これも保険適応外の治療です。

カリソルブのデメリット

カリソルブのデメリットは下記の4点です。

  • 薬剤が浸透するまで時間がかかるため、治療時間が長くなる
  • 神経まで達するような進行した虫歯や歯と歯の間の虫歯には適用できない
  • 治療可能な歯医者が少なく、歯科医の技術により治療できる虫歯の度合が異なる
  • 保険外の診療となり、治療費が高くなる

治療費用(目安)

自由診療で5,000円~2万円程度/1本

保険外診療となるため、治療費は歯医者により千差万別です。カリソルブの治療自体を行っている歯医者は少ないので料金が高くなる傾向にあります。

事前に歯医者に費用面や治療後の検診などについて確認をしましょう。

ドッグベスト

「ドッグベスト(Doc’s Best)」はセメントの一種で、歯の詰め物として用いられます。通常のセメントと違うところは、歯に残存している虫歯菌を殺菌してくれるところです。

高い封鎖性と、歯の再石化を促し硬い象牙質ができあがるため、予後も良いです。虫歯を軽く削った後にドッグベストで虫歯部分に封をして、その上から通常の詰め物(プラスチック、銀歯等)をして、治療は終了となります。

削る部分が少ないことや進行状態のむし歯でも神経を取らないで治療することができる利点があります。

ドッグベストのデメリット

ドックベストのデメリットは下記の4点です。

  • 治療後はドッグベストの殺菌効果を確認するため、定期的に(半年に一回程度)の検診が必要
  • ドッグベストは銅、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミなどを含むため、金属アレルギーの方には使えない
  • 治療可能な歯医者が少なく、歯科医の技術により治療できる虫歯の度合が異なる
  • 保険外の診療となり、治療費が高くなる

治療費用(目安)

自由診療で5,000円~2万円程度/1本

保険外診療となるため、治療費は歯医者により千差万別です。ドックベストの治療自体を行っている歯医者は少ないので料金が高くなる傾向にあります。

事前に歯医者に費用面や治療後の検診などについて確認をしましょう。

まとめ

カオリ
歯科治療は長期経過を見てその治療が成功か否かを判断するものが多いため、最新の治療法は一般的な治療方法よりも症例数が少なく、必ずしも「これが一番良い治療法」という言い方はできません。

今回紹介した最新の治療法を嫌う歯科医師も一定数います。しかし、たくさんの臨床研究によって科学的効果が報告されているため、期待度は高いです。

また、従来の銀歯による治療のみで最新の治療法をやっていない歯医者が多いため、症例数が多く、信頼できる歯医者を探すのが重要です。