親からすると『いつから生え変わるの?』『周りの子に比べて遅くない?』などたくさんの疑問や不安も出てくるでしょう。
子どもの成長を温かく見守れるようになるためにも、こうしたモヤモヤはできるだけ早く解消しておくことが大切です。
今回は乳歯から永久歯の生え変わりの時期や順番、生え変わる本数、良くある疑問などを分かりやすく解説します。
目次
永久歯への生え変わり時期
乳歯から永久歯に生え変わるのは6歳~12歳頃です。
乳歯が生後5~8か月ごろから生え始めて、3歳にはすべて生えそろうのに対して、永久歯は約6年間をかけてゆっくりと生えそろいます。
乳歯に比べて永久歯の生え変わり時期が遅いことには理由があります。
それは、歯を構成する組織の厚みに差があることです。乳歯と永久歯とでは、エナメル質や象牙質といった歯を作る組織の厚みに約2倍の差があります。
長い人生の中で起こりうる、虫歯や歯周病といった歯の病気、転倒して歯が欠けたりするといった被害から、一生歯を守っていくために約6年をかけて強い歯が作られていくのです。
ただ、必ず6~12歳の6年間と決まっているわけではありません。5歳から生え変わる人もいれば、成人しても乳歯が残っている人もいます。
個人差があるので、少し時期がずれたからといって心配する必要はありません。
乳歯から永久歯に生え変わる順番と生え変わる本数
乳歯から永久歯に生え変わる順番と生え変わる本数について紹介します。
生え変わりの順番
一般的には、下あごの前歯2本がもっとも早く生え変わり、次に下あごの奥歯と上あごの前歯2本という順番です。
下あごの奥歯はもともと乳歯のない部分に新たに生える歯で、6歳ごろから現れることから6歳臼歯(きゅうし)とも呼ばれます。
その後は、上あごの前歯2本から上下ともに、奥へと順番に生え変わっていきます。
永久歯が生える順番はかなり個人差があるので、この通りでなくても気にしないようにしましょう。
生え変わる本数
乳歯の数は20本です。一方で永久歯は親知らずを含めて32本です。
乳歯の下から生えてくる永久歯が20本、残りの12本は新しく生えてきます。
先ほど説明した第6臼歯も新しい12本のうちの4本です。
中には親知らずが生えない人もいますが、その場合永久歯は28本となります。
乳歯から永久歯の生え変わり。よくある不安とその回答
乳歯が抜けない
乳歯の根っこがまだ残っていると乳歯は抜けません。
永久歯は乳歯の根を溶かしながら生えてくるのですが、食事を噛む回数が少なく、歯への刺激が足りないとその機能が正常に働かないことがあるのです。
対策としては、『舌で揺らして刺激を与える』『自然に抜けるのを待つ』といった方法で様子を見ましょう。
がっちりと根付いてしまっている場合には、永久歯に影響が出ないように歯医者で抜歯を勧められる場合があります。
いずれにしても7、8歳になって乳歯が抜けず永久歯が1本も生えない場合は歯医者で診察を受けた方がよいです。
乳歯がグラグラする
乳歯がずっとぐらぐらしているのにいつまで経っても抜けない、というケースも少なくありません。
昔は糸を引っ掛けて引っ張る方法や強引に手やペンチで引き抜く方法が一般的でしたが、今は歯医者から自分で無理に抜くのは辞めた方が良いと言われます。
『歯ぐきや神経を傷つけて痛みが出る』『手についた細菌が歯ぐきや歯の根っこに侵入して炎症となる』など多くのトラブルにつながるからです。
さすがにぐらつきが大きく簡単に取れそうな時は自分で抜いても問題ありませんが、なかなか抜けない場合やぐらついたときに痛みを伴う場合には、歯医者に通うようにしましょう。
乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない
乳歯が抜けてから永久歯が生えるまでの期間は、少なくとも1か月程度は様子を見た方が良いでしょう。
かなりの個人差があるので、半年以上かかる場合もあります。
ただし、乳歯がいつまでも抜けず、その下から永久歯が生えてくる様子も見られないときは、生まれつき永久歯が存在していない状態(先天性欠如・せんてんせいけつじょ)である場合があります。
永久歯が生えてこないと乳歯が抜けた後にはすき間ができてしまうことになります。
これを避けるために歯医者では、乳歯を抜歯し他の永久歯を動かしてすき間を埋める矯正治療が行われます。もちろん、レントゲン撮影で永久歯が存在しないことが判明してからです。
年齢が若い方が歯や顎の成長が活発なので、早期に原因を発見し治療することが大切です。
生え変わり時に痛みがある
永久歯が正しい位置から生えてこない場合、生え変わり時に痛みがあることが多いです。
乳歯と乳歯の間のすきまが狭い場合やあごが小さい場合など、永久歯が生えるスペースが十分にない場合、永久歯は真っすぐ生えて来られなくなります。
この場合、永久歯は前後の歯や歯ぐきとぶつかりながら無理に生えてこようとするため、歯の根っこにある神経が反応して痛みが生じます。
他にも虫歯や歯ぐきの炎症が発生している場合に痛みが出ることがあります。
生え変わり時に長期間痛み続くということは、何らかの異常が起きているサインです。
自然に治まることを待っている間に悪化させないためにも、できるだけ早く歯医者を受診してください。
まとめ
放っておくと歯並びが悪くなるケースや痛みが出るケースなどありますので、疑問や不安が生じたらへ歯医者で見てもらうのが一番良い方法です。
出来れば、定期的に歯医者に通うのが望ましいです。
永久歯は一生使うものですから、生え変わりの時期に問題が起きたらめんどくさがらずにすぐに歯医者に行くようにしましょう。