抜く?抜かない?親知らずを抜くべきケースとは。痛みはどのくらい?

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親知らず

カオリ
親知らずは『絶対に抜かなければならない悪い歯だ』と思っている人は少なくありません。

しかし、それは間違った認識です。むしろ、親知らずがあることで歯の健康が保たれている場合もあるのです。

今回は親知らずの基本や親知らずを抜くべきケース、親知らずの抜歯方法など親知らずの詳細について紹介します。

親知らずとは

親知らずとは、前歯から後ろに順に数えて8番目にある歯のことです。歯は親知らずを含めると合計32本あります。

15歳~20歳までに親知らずが生える人が多く、『親が知らない間にいつの間にか生えている』というのが名前の由来です。

『一番奥にある歯が親知らでしょ。』と考えている人がいますが、親知らずが生えない人もいるため、これは正確な表現ではありません。

親知らずが生えていない人は、一番奥の歯(前歯から数えて7番目の歯)は親知らずとは呼びません。

親知らずが生えない人の割合は、約4人に1人と言われています。先天的にもともと欠如している場合もありますが、歯ぐきの上に姿を表さないだけでレントゲン写真を撮ると深い位置に埋まっている人もたくさんいます。

親知らずは抜くべき?

親知らずには、抜いた方がいいケースと抜かない方がいいケースがあります。

抜いた方がいいケース

親知らずが斜めや横に生えている

親知らずが斜めや横に生えている場合は基本的には抜いた方が良いでしょう。

斜めや横に生えることで歯と歯のかみ合わせが悪くなり、歯ぐきが傷つきやすくなります。

人によっては上の親知らずは生えているけど下は生えていない、というケースもあり、この場合は特に歯ぐきが傷つきやすい状態です。

また、斜めや横に生えていると歯と歯、歯と歯ぐきとの間に食べカスや細菌が溜まりやすく、虫歯や歯周病を引き起こす要因となります。

歯ブラシで磨こうとしても、ブラシが入りにくいので食べかすを自分で取り除くのが困難です。

痛みや腫れがある

親知らずが原因で歯や歯ぐきに痛みや腫れがある人は抜いた方が良いでしょう。

もともと歯並びが悪い人の親知らずは、他の歯があるにもかかわらず無理やりスペースをこじ開けて生えて来ようとする傾向があります。

その場合、斜めや横に生えなかったとしても、親知らずが周辺の歯や歯ぐきを圧迫するので痛みが生じます。

また傷ができてしまうと、そこが食べカスや菌により炎症を起こたり膿を出してしまうことで、腫れることにもなります。

抜かない方がいいケース

真っすぐ生えている

親知らずが4本とも真っすぐきれいに生えそろっている場合は、正常な状態ですので抜く必要はありません。

また、多少斜めや横に生えていても、丁寧な歯磨きで清潔に保てる状態であると診断されれば、抜くことが勧められない場合もあります。

矯正治療で利用できる可能性がある

親知らずを他の歯の代わりとして有効利用できる場合、抜かない方がいいと診断されることがあります。

たとえば、重度の虫歯によって親知らずのすぐ手前にある歯を抜歯しなければならなくなったとします。

抜歯後にできるすき間を埋めるために、矯正治療や移植によって親知らずを移動させ、すき間を埋め合わせることができます。

この他にも、親知らずがあごの深くに完全に埋まっている、痛みや腫れが徐々に治まる傾向にある、といった場合は無理に抜く必要はありません。

親知らずの気になる点

親知らずを抜くときによく聞かれる点、気になる点をまとめてみました。

親知らずを抜くと小顔になるって本当?

『親知らずを抜くと小顔になる』という話を聞いたことがあるでしょうか。

しかし、親知らずが原因で周辺が腫れている場合を除き、ほとんどの場合迷信に近く、親知らずを抜くことで小顔になることはありません。

確かに、親知らずが周囲の歯や歯ぐきを圧迫して、頬のラインが少し膨らんでしまうケースがあります。

しかし、多少斜めになっている程度では抜歯をしても小顔にはなりません。むしろ『健康な歯を失う』『抜歯後の痛み』という親知らず抜歯に伴うデメリットの方が多いでしょう。

安易な抜歯治療は歯科医院でも勧められていませんので、十分に検討しましょう。

親知らずを抜くときの痛さはどのくらい?

親知らずを抜くときは麻酔をかけるために痛みはほとんどありません。しびれているため、感覚は全くないでしょう。

親知らずを抜いている最中はむしろ、歯を割ったり、器具で引っ張ったりする音の方が気になるぐらいです。

ただし、親知らずを抜いた後に麻酔が切れるとかなり痛いです。じりじりと響く痛さで、虫歯がかなり進行したときの痛さに近いものがあります。

必ず痛み止めを処方してもらい、麻酔が切れかかったら服用するようにしましょう。

抜歯後の痛みは通常1日~2日で治りますが、抜歯の状態によっては長くかかることもあります。

抜歯後に仕事はできる?

抜歯後は痛み止めをきちんと服用すれば、痛みはないため仕事はできるでしょう。

ただし、口の中に違和感を感じたり、話しにくかったりするので、仕事に支障が出るかもしれません。

無理はせず、出来れば仕事を休むようにした方がよいでしょう。

抜歯の治療費はどのくらい?

治療費は、健康保険適用時(3割自己負担)で下記の通りです。

  • 親知らずが真っすぐに生えている場合は2,000円程度
  • 親知らずが斜めや横の場合は3,000円~5,000円程度

歯医者により費用が相場と異なることもありますので、親知らずを抜く前に治療費を確認した方がよいです。

抜歯後に食事はできる?

麻酔が切れれば、抜歯後に食事はできます。麻酔が切れるまでは1~2時間かかりますので、それまでは我慢してください。

ただし、食事の内容には気を付けた方がよいです。

まず、固いものは避けましょう。抜歯したところに固い食物が当たるとせっかく止まった血が出てきてしまうことがあります。

また、お酒や辛いものなどの刺激物は避けましょう。血行が良くなり、抜歯した箇所から血が出てしまう可能性があります。

親知らずの抜歯は医療保険の適用対象?

入院やケガをしたときに給付金がもらえる医療保険。

加入している方ならば『親知らずの抜歯も医療保険の給付の対象?』と気になるかもしれません。

しかし、基本的に歯医者で行う親知らずの抜歯は医療保険の対象外です。

医療保険は入院や手術が対象となるのですが、医療保険の商品説明上に歯の治療は適用対象外となっていることがほとんどなのです。

ただし、親知らずの抜歯で骨を削る必要がある場合や合併症を起こしている場合など総合病院での手術が必要な場合は、医療保険の給付対象となることもあります。

複雑な治療を行った方は保険会社に問い合わせをしてみましょう。

親知らずを残しておくと再生医療に使えるって本当?

歯髄細胞バンク

ケガや病気でダメージを受けた臓器や骨などを自分自身の幹細胞を使って元通りに再生する方法を再生医療と呼び、最先端の医療技術として注目を浴びています。

近年、「親知らず」に含まれる歯の神経(歯髄細胞)が幹細胞として適したものであり、脊髄損傷、脳梗塞など様々な重病時の治療に使えるという研究がなされており、自身の将来の治療のために抜いた「親知らず」を保管しておくという『歯髄細胞バンク』という制度が出来ています。

ただし、この制度は始まったばかりで治療を適用した例がまだないことと、細胞保存料がそれなりに高額な点がネックです。

必要な費用は、10年間の細胞保存料として30万円ですので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか?

親知らずの抜歯方法

ここでは親知らずの抜歯治療が行われるケースとして一般的な、歯が斜めや横になっている場合の治療の流れを紹介します。

1.麻酔をする

歯ぐきに塗り薬と注射による麻酔を行います。痛みだけでなく出血を抑える役割もあります。

2.歯ぐきを切開しあごの骨を削る

埋まっている部分を表に出すためにメスなどで歯ぐきを切開します。歯ぐきを切開するとあごの骨が見えるので、歯を全部出すためにそこを削ります。

3.歯を分割して取り除く

手前の歯に倒れこむように生えている場合、そのままでは引っかかって抜けません。

専用の器具で歯を分割し、少しずつ取り除いていきます。最後に歯の根っこを取ります。

4.異物がないか確認する

歯を分割しながら取り除いているため、歯や骨のかけらが残っていることがあります。

放置すると炎症や痛みを引き起こす要因となるので、レントゲン撮影で確認し異物があれば除去します。

5.洗浄し切開した部分を縫い合わせる

抜歯した部分を洗浄してから、歯ぐきを縫い合わせます。

患者に激しい痛みや異常がないか確認したら、その日の治療は終了です。

6.抜糸

7~10日後に抜歯を行います。

さらに口の中の状態によっては、数日後に再度受診し消毒を行う必要があります。

治療にかかる時間

治療にかかる時間は50~60分が目安です。

なお、親知らずが真っすぐ生えている場合は歯ぐきの切開や抜糸が不要となるため、10分~20分程度で終わるのが通常です。

まとめ

カオリ
親知らずは、まっすぐ生えている分には抜く必要がありません。

腫れや痛みがある場合には抜いた方が良いですが、それ以外の場合は歯医者の判断を仰ぎましょう。

また、麻酔を使えば抜歯時に痛みはほとんどありませんので、その点は安心してください。

歯医者によって抜歯の技術に差がある場合がありますので、抜歯をするときは信頼できる歯医者にかかるようにしましょう。