『うちの子この前歯が生えたばかりなのに歯ぎしりしてる。大丈夫なの??』
『生えたばかりの乳歯・永久歯がすり減ったり、抜けてしまうのでは。。』と特に心配になる親御さんも多いでしょう。
今回は子どもの歯ぎしりの原因や対策・予防法を紹介します。
目次
歯ぎしりの3つの原因
子どもが歯ぎしりをする原因は3つあります。それぞれ詳細を説明します。
- かみ合わせを調整している
- あごの骨と筋肉を強くしている
- ストレスを抱えている
かみ合わせを調整している
歯が生えたてのころは、あごの動かし方を「吸う」という単純な動きから「噛む」という複雑な動きへ移行しなければならない時期です。
子どもの歯ぎしりはスムーズに、かつ、正しくあごを動かせるように、無意識のうちにかみ合わせを調整している行動なのです。
また、乳歯が生えそろったころから永久歯が生えそろうまでの期間にも、歯ぎしりが見られます。この時期はあごの骨の成長が活発で、乳歯の歯と歯の間はすき間が広がります。
このすき間ができる時期と乳歯と永久歯が混合している時期は、それぞれの歯の位置や高さが安定していない時期でもあります。
それにより噛む力の加減が難しくなるので、歯ぎしりをすることで無意識のうちにちょうどいい力の入れ具合を確認しているのです。
あごの骨と筋肉を強くしている
歯ぎしりの「ギシギシ」という音を聞くと、歯とあごに強い力が掛かっていることがわかります。
乳幼児の歯とあごは成長期の真っただ中です。
あえて強い負荷をかけることで、あごの骨や筋肉を刺激して噛む力を強くしているのです。
ストレスを抱えている
一番好ましくないのは、ストレスが原因で歯ぎしりをしている場合です。
子どもは毎日元気に走り回るのでストレスはないと思われがちですが、大人同様に様々な不安や心配を抱えています。
初めて幼稚園や保育園に入って親と離れる時間が多くなって不安になったり、弟や妹が生まれてお母さんからの愛情が減ったように感じたりしている時などが、特にストレスを感じやすい要因だと言われます。
子どもの環境の変化をきっかけに歯ぎしりが始まった場合は、ストレスが原因かもしれないと疑ってください。
歯ぎしりは放置しても良い?
歯ぎしりは早ければ0歳から始まります。
永久歯が生えそろう12歳ころまでの子どものうち、5人に1人の割合で見られる正常な行動です。
成長のために必要な行動ですので、基本的には放置していても問題はありません。
ただし、放置するべきでない例外もあります。
たとえば次のような場合です。
- 歯がすり減っている
- 歯並びが悪くなってきている
- 歯やあごに痛みがある
力を加えることで、歯の表面がすり減ったり、歯並びがずれていたりする可能性があります。
特に、子どもが「歯(あご)が痛い」と言ってきた場合は危険です。歯の神経や歯ぐき、あごの骨などに何らかの異常が起きている可能性があります。
歯ぎしりは、自分ではなかなか改善できるものではありません。
これらの症状が見られる場合は、放置せずに歯科医院へ相談に行きましょう。
病院での歯ぎしりの治療法
歯ぎしりの治療法としてもっとも多く行われているのが、マウスピースによる治療です。
就寝前に専用のマウスピースを装着することで、歯と歯、歯とあごのクッションの役目を果たして負荷を抑えます。
人間の歯とあごの大きさは千差万別ですので、歯に器具をはめて歯の型どりをすることで、その患者専用のマウスピースが制作されます。
マウスピースの費用は、健康保険を適用して5,000円~6,000円程度が相場です。
ただ健康保険が適用されない場合や歯医者によって値段に差がある場合があるので、治療前に歯医者に確認した方が良いでしょう。
自宅でできる歯ぎしりの改善方法
自宅で改善するためには、親が積極的に子どもの歯ぎしり改善に協力してあげることが必要です。
まずは、子どもがリラックスできる環境を作ってあげましょう。ストレスが原因である歯ぎしりは、本人が抱える不安や心配から起こります。
原因が家の外にある場合でも、絵本を読んだり一緒に遊びをしたりすることで愛情を感じれば、そのストレスは軽減され家の中がリラックスできる環境になるはずです。
積極的に会話のコミュニケーションを取ると、自分から悩みを言ってくれることもあるので、ストレスの原因を知る手掛かりになります。
また、睡眠時以外に歯ぎしりをしてしまう子どもも少なくありません。
起床時の歯ぎしりにはリマインダーが有効です。リマインダーとは「思い出させるもの」という意味です。
たとえば、特徴のあるシールを自宅の冷蔵庫や壁に貼って、「これが目に入ったら歯ぎしりをやめるサインだよ」と連想できるように伝えておく、といった具合に活用できます。
まとめ
ただし、先述したようにいくつかの例外もあるので、自宅での定期的なチェックと歯医者での検診はできる限り続けてあげたいものです。
子どものうちは、親が子どもの歯のサポート役となって健康な成長を支えていってあげましょう。