しかし、乳歯の虫歯は新たに生えてくる永久歯にも大きな影響を与えるため、早期に発見し、治療を行うのが大切です。
今回は乳歯の虫歯について、ご家庭で虫歯を見つける方法や乳歯の虫歯を放置した場合のリスク、乳歯の虫歯の治療方法などを紹介します。
目次
虫歯かも?乳歯の虫歯を自宅で見分ける方法
乳歯が虫歯になりやすい箇所は、3~4歳頃までは上あごの前歯周辺、5歳ごろからは下あごの奥歯です。
乳歯の虫歯が放置されがちな理由として、『すぐに生え変わるから』ということに加えて、『虫歯になっているのに気づかなかった』ということもよくあります。
その原因は、乳歯の虫歯の多くが白色で見つけづらいことにあります。中には永久歯にできる虫歯のように黒ずんで穴が空いているように見えるものもありますが、多いのは白色の虫歯です。
乳歯の虫歯を発見するポイントが3つあります。
- よく見ると周りの歯と色が違う部分がある(特に白く濁って見える)
- 歯磨きや食事の時に痛みを訴える
- 欠けている、くぼみんでいるように見える
毎日の生活の中でこれらのポイントに思い当たるものがあれば、一度歯科医院へ検診に行くことをお勧めします。
乳歯の虫歯を放置する3つのリスク
『乳歯は永久歯に生え変わるから虫歯は治療しなくても良い』という思い込みをしていませんか?
乳歯がそのうち抜けるからと言って、乳歯の虫歯を治療しないのは誤りです。
乳歯の虫歯をそのまま放置を続けると、次に生える永久歯に悪影響を及ぼすことになります。
永久歯が虫歯になりやすくなる
『虫歯にかかった乳歯は放置しておくといずれ抜ける』というのは間違いではありません。
ただ、虫歯になった歯そのものは抜けますが、虫歯の原因となる虫歯菌はまだたくさん住み着いています。抜けたからと言って油断している間に、他の歯や周辺の歯ぐき、歯の根っこの部分を侵食し続けていきます。
虫歯は口内の感染症です。こうした悪い環境から生えてくる永久歯は、当然虫歯菌に感染することになります。虫歯菌がはきだす酸は、歯を構成するエナメル質や象牙質といった組織を溶かす働きがあります。
生え始めの永久歯が菌に侵され続けると、永久歯の組織が十分に構成されなくなり、結果的に虫歯への抵抗力が弱い「虫歯になりやすい永久歯」ができてしまうのです。
永久歯が真っすぐ生えない
通常、永久歯は乳歯の下にある乳歯の根を目標にして、乳歯の根っこを溶かしながらゆっくりと生えてきます。
しかし、虫歯の影響により乳歯が早い段階で抜けてしまうと、永久歯は目標であるはずだった根っこを見失い、真上に向かって出られなくなります。
さらに、位置がずれたまま生えてきた永久歯は、他の永久歯が生えてくるはずのスペースに割り込みます。
これが続くと、ドミノ倒しのように歯の位置がどんどんずれていき歯並びの悪い状態となってしまいます。
咬み合わせが悪くなる
痛みや違和感が伴う虫歯の場合、食事の時にその部分を気にして、左右の歯でバランスよく咀嚼しなくなることがあります。
どちらか一方の歯だけ使用している状態が続くと、あごの成長に支障を与え、あごの位置がずれて咬み合わせが悪くなる可能性があります。
幼児~少年期のあごは、永久歯に生え変わる準備をするために急速に発達するので、その影響が特に強くあります。
咬み合わせの障害は、歯並びを悪くしたり食べカスが歯に詰まりやすくしたりするため、さらなる虫歯を引き起こす要因となります。
乳歯の虫歯の治療はどうやる?
乳歯の虫歯の治療方法
歯医者での乳歯の虫歯の治療方法は、虫歯の進行段階によって3通りあります。
軽度の虫歯
歯の一部が白く濁っている状態で、本人も痛みがそれほど感じていない状態です。
虫歯で弱ったエナメル質を強化し歯の再石灰化(さいせっかいか)を促進させるために、フッ素を歯に塗り込む治療が行われます。
また、糖を含むお菓子やジュースなどを控える食生活改善のアドバイスや、適切な歯磨き方法の指導なども行われます。
中度の虫歯
虫歯が出す酸の侵食により歯が欠けていたり、痛みがはっきりしていたりする状態です。
これ以上の進行を防ぐために、虫歯を削り取ります。その部分にプラスチック素材でできたレンジと呼ばれる詰め物が入れられ、その後の通院の中で経過が見られます。
重度の虫歯
乳歯の奥の神経まで虫歯が進行している状態です。虫歯に侵された神経は取り除きます。
虫歯に侵された神経をそのまま残してしまうと、先に説明した永久歯への3つのリスクに加えて、変色や変形といった様々な悪影響を与える可能性があるためです。
虫歯部分と溜まった膿を除去し、歯の根っこを清潔にした後は、詰め物・抜歯といった治療が行われます。
抜歯をするのは、医師が永久歯の成長に悪影響があると判断した場合です。例えば、乳歯の下のかなり深いところに膿が溜まり歯ぐきが化膿することで、永久歯が真っすぐ健康な状態で生えるのを阻害してしまうケースなどです。
子どもが治療を嫌がる場合
歯医者の治療を嫌がる子は多いですよね。独特のにおいとドリルの音が嫌で歯医者に連れて行った瞬間に泣き叫ぶ子も多いです。
治療を怖がりじっとしていられない子どもに対して、歯を削る治療をすると口内を傷つけてしまう恐れがあります。
基本的には、子どもに虫歯の怖さを伝えたり、歯磨き指導などを行い、まずは歯医者に慣れさせたうえで、徐々に治療を受けさせるようにします。
しかし、虫歯の進行が速い場合は高濃度のフッ素を塗って虫歯の悪化を抑えたり、押さえつけたり、全身麻酔を打って治療が進められたりすることになります。また、後述するサホライドを塗って虫歯の進行を抑える場合があります。
子どもの歯の治療は歯科医の腕により大きな差が出ることもあるため、子どもと相性が良い小児歯科を見つけて通うことが重要です。
サホライドとは?
サホライドとは、乳歯の虫歯の進行を止める効果がある薬です。
主な成分はフッ素と銀です。フッ素は歯の再石灰化を促進します。銀は虫歯部分に付着することで抗菌の作用をもたらします。
デメリットとして、銀の酸化によりサホライドを塗布した歯が「お歯黒」のように黒くなることです。
実際にサホライドの治療で見た目が黒くなることに対してショックを受ける親御さんもいらっしゃいます。
子供の前歯が初期の虫歯になってサホライドていう薬塗ったんだけど、黒くなるって事前に説明受けてたのにいざ真っ黒な前歯を見たら地味にショック受けた…もっと早く歯医者連れてきてあげれば良かった;;
— 猫サン (@neco_mama_ts) May 30, 2016
乳歯が永久歯に生え変わればサホライドの黒さが取れますが『子どもが嫌がる、待てない』という場合は歯を削って取り除くことも可能です。
一昔前までは小児歯科でサホライドが良く使われていましたが、見た目が悪くなり、子どものいじめにつながることもあることから、近年はあまり使用されていません。
乳歯の虫歯の効果的な予防法とは?
乳歯の虫歯の予防法として最近注目を浴びているのが、虫歯菌除去専用歯磨き粉『ブリアン』です。
ウィステリア製薬という製薬会社が開発・販売している商品で、乳酸菌「BLIS M18」が虫歯菌を除去するために、虫歯への効果が高いと評価されている歯磨き粉です。
発泡剤・界面活性剤・研磨剤不使用のため、小さい子どもでも安心です。
実際ネット上の口コミ・評判が良く、下記のように効果があると感じている親御さんが多いです。
前に紹介した虫歯にならない子供になれる菌の#ブリス菌歯磨き!
私の周りでもすっごく増えてる!良いよほんと!
虫歯になっちゃうのは親の責任だから毎日楽しく
親子で歯磨きタイム!#ブリアン pic.twitter.com/YiOhLyixow— 山本優希 (@yamamoto_yuuki) May 17, 2016
ブリアンめっちゃいいよ。
虫歯予防以外に 口臭予防や朝の口の粘つき予防にもなってるーー。…でも、高い(;´༎ຶД༎ຶ`)
かなり高い… pic.twitter.com/vI6fHHayqa— あゆころたろ(綿ぼこり) (@ayukorotaro) November 29, 2016
1箱3,919円からと値段が高いのが難点ですが、使用後でも子どものお口に合わない場合や虫歯予防効果が見られない場合は、商品代金を返金する60日間全額返金保証制度を設けています。
虫歯予防効果に自信があるからこそできる保証制度ですよね。
子供を虫歯にさせたくない方には虫歯菌除去専用歯磨き粉『ブリアン』がお勧めです。まずは試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
子どもが自分で歯の健康を管理できないうちは、普段から親御さんが口内チェックをしっかり行い予防をしてあげることが大切です。
丁寧な仕上げ磨きや歯医者でのフッ素塗布、虫歯菌除去専用歯磨き粉『ブリアン』の利用などを行い、虫歯にならないように注意していきましょう。