徐々に抜ける場合もあれば、急に抜ける場合もありますので、『抜けた歯はどうしたらいいの?』『血はどのくらいで止まるの?』といった疑問や不安が出てくると思います。
今回は、乳歯が抜けたときの正しい対処法や抜けた乳歯の保管方法、おすすめの乳歯ケースなどについてお伝えします。
目次
乳歯が抜けたら注意するべき3つのこと
出血した時の対処
通常、乳歯が抜けるとその部分から出血します。異常ではないので過度に心配する必要はありません。
『出血を早く止めたい』『数十分経っても出血が止まらない』という時は、ガーゼ、ティッシュなどを噛むといいでしょう。
清潔なガーゼ、ティッシュを抜けた歯と同じくらいの大きさにちぎって丸め、5~15分ほど噛み続けます。
力を入れて強く噛み過ぎると歯ぐきを通る血管を圧迫して、傷口が広がり、余計に出血が止まらなくなってしまうこともあるので軽く噛むぐらいが良いでしょう。
抜けた当日の食事で注意すべきこと
歯が抜けた当日の食事は、固いものや酸っぱいもの、しょっぱいものなどの刺激物は避けましょう。
刺激物によって傷口が開き、止まった血が再び出てきたり、治りが遅くなる恐れがあるためです。
歯が抜けた部分の出血は血餅(けっぺい)と呼ばれるかさぶたのような膜ができることで止まります。
血餅はゼリー状で非常に柔らかいものなので、刺激の強い食べ物によって血餅が簡単に取れてしまうので注意が必要です。
歯磨きの際に注意すべきこと
血餅が取れるのを防ぐためにも、抜けた部分を歯ブラシで磨くのは避けましょう。
毎日の歯磨きを子ども自身に任せている場合は、『抜けたところは磨かないようにね。』と一声かけてあげるといいでしょう。
万が一、歯ブラシが血餅部分に当たって再度出血してしまった場合、清潔なガーゼやティッシュを噛んでしばらく待つことが適切な対処法です。
何度も口をゆすいで血を取り除きたくなりますが、これは適切な対処ではありません。
水で何度も血を流してしまうと、血餅が作られずに出血が長引くことになります。
乳歯が抜けた。歯医者で診てもらった方がよいケースとは?
乳歯が抜けるのは自然なことなので、乳歯が抜けただけで歯医者に行く必要はありません。
ただし、以下のような場合は、歯医者で診てもらった方が良いです。
- 指や歯ブラシで傷口を広げてしまった
- ガーゼやティッシュを噛んでも長時間出血が止まらない
- 抜けた部分の痛みが徐々に増してきている
傷口を広げてそれを放置すると、細菌が入り込み炎症や激しい痛みを引き起こす原因となります。
また、歯ぐきの根の静脈が深く傷ついていると、出血が長時間止まらない要因となり、ガーゼやティッシュを噛んでも治まらないこともあります。
歯医者では、『抗生物質を入れて細菌を除去する』『傷口の菌や異物をかきだしてから、わざと再び出血させて新たに血餅を作らせる』『傷口を縫って出血を抑える』といった治療法がとられます。
抜けた乳歯扱い方について
抜けた後の乳歯の扱い方については、『絶対にこうした方がベスト!』という決まりはありません。
捨ててしまったり、失くしてしまっても全く問題はありません。
ただ、屋根に投げるなどして楽しむと、子どもにとって良い思い出になるでしょう。
日本の昔ながらの方法は、『ネズミの歯のように強い歯になれ!』と言いながら、下の歯は上に真っすぐ生えることを願って屋根に投げ、上の歯は下に真っすぐ生えることを願って地面や床下に投げる、というものです。
乳歯の正しい保管方法
『子どもの抜けた歯を記念に大切に保管しておきたい』と思う方も多いでしょう。
ここで、乳歯を保管する正しい方法を紹介します。
- 流水で洗った乳歯を小さな容器に入れたオキシドールに浸けて一晩置いておく
- 取り出した乳歯を歯ブラシで磨いて汚れを落とし、流水で洗う
- 清潔なガーゼやコットンで水気を拭き取り、密封できるケースに入れる
乳歯の消毒用のオキシドールは近所のドラッグストアや薬局、Amazonなどの通販でも購入できます。
乳歯のおすすめ保管ケース3選
近年は、乳歯を保存するための専用ケースが多数販売されており、1,000円~3,000円程度で購入できます。
キレイに保管できるため、後で見返したときに子どもから喜ばれるでしょう。
ここでは、おすすめの乳歯保管ケース3選をご紹介します。
乳歯ケース ティース君
高級天然桐製の歯の形の乳歯ケースです。
歯が抜けた日付が記録できる磁石付きのアクリル板がついており、中蓋として機能して入れた歯がどこかに行ってしまうのを防ぎます。
名入れ彫刻に対応しており、ケースの表に名前を入れることが出来ます。
ベビートゥースアルバム
三面見開きの乳歯入れアルバムです。1つずつ乳歯を格納できてフタが出来るため、乳歯を紛失することがありません。
写真を入れることが出来て、歯が抜け落ちた日を記録することができます。
本棚に立てかけてるなど、収納や保管場所もコンパクトに収まります。
ブルーの男の子用とピンクの女の子用の2種類あります。
乳歯ケース りんご
高級桐材を使用し、職人さんが一つ一つを手づくりした乳歯保存用のケースです。
長方形型でりんごの絵付きのデザインです。
歯が抜けた年齢と日付、名前が書ける透明アクリル板付で、きれいに収納ができます。
乳歯を預ける「歯髄細胞バンク」とは?
歯髄細胞バンクとは、『抜けた乳歯の細胞を将来の治療に役立てるために専門機関に預けて冷凍保存し保管しておく』再生医療のための取り組みのことです。
再生医療とは、ケガや病気で損傷した皮膚や骨などの組織や臓器を、自分自身の細胞を使って再生させる最先端の医療技術です。
つまり、乳歯を歯髄細胞バンクに預けておくことで、将来本人が再生医療を必要とする重い病気になった場合、乳歯を治療のために使える可能性があるのです。
歯髄細胞バンクを利用するためには、日本全国にある提携の歯医者で乳歯を抜く必要があります。また、親知らずや永久歯といった歯も預けることができますが、虫歯がある場合は対応できない場合があります。
歯髄細胞バンクの費用は?
乳歯一本あたり、初回10年間の保管で30万円、登録更新料金は10年分で12万円です。
費用はクレジットカードで支払いをすることが出来ます。
結構な価格ですが、乳歯を子どもの将来のために有効に活かせる可能性があると考えれば、決して高すぎる値段ではないと言えます。
なお、実際に再生医療を行う場合は、別料金で再生医療のための治療費がかかります。これらはあくまでも保管のためだけの費用です。
歯髄細胞バンクは実用化されている?すぐに再生医療は可能?
「歯髄細胞バンク」で乳歯を預ける仕組みはできていますが、現時点ではまだ実用化されておらず、再生医療を適用した例はありません。
まだ準備段階であるため、あくまでも保険の位置づけと考えた方が良いでしょう。
興味がある方はこちらの公式サイトから詳細をご確認ください。
まとめ
出血時の対処方法や抜けた当日の食事や歯磨きなど注意事項をきちんと理解しておきましょう。
また、抜けた乳歯はキレイに保管しておくと後々の記念になりますので、乳歯ケースを購入して保管しておくのがおすすめです。ぜひ試してみてくださいね。